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Set List

30/May/99 2nd Stage

1.Wind Machine
2.I've Got A Right To Sing The Blues
3.Heart Of Mine
4.Beyond The Sea
5.Come To Me
6.Day In Day Out
7.What You Won't Do For Love
8.I'll Be Around
9.Come Rain Or Come Shine
10.Concentrate On You
12.Tell It Like It Is
13.Indian Summer
14.Street Of Dreams

Encore-1
15.Don't Worry 'Bout Me

<Mark McMillen Piano Solo>

16.I Get A Kick Out Of You

Encore-2
17 .I've Got A Right To Sing T
he Blues

Blue Note Osaka
BAND
Bobby Caldwell(Vocal)

Mark McMillen(p,key)
Steve Cotter(g)
Jon Murray(b)
Tony Pia(ds)

Russ Capri(tp)
Scott Englebright(tp)
Fred Forney(tp)
Bob Summers(tp)
Alan Ferber(tb)
John Lays(tb)
Doug Robinson(tb)
Craig Woods(tb)
Karolyn Kafer(sax)
Rory Mazzela(sax)
Lee Sacard(sax)
Ernie Watts(sax)
Doug Webb(sax)


Blue Note Tokyo 16-18,20-22/May/99
Blue Note Osaka 24-26,28-30/May/99
Concert Review


2年ぶりの来日決定!のニュースに狂喜乱舞した春、遂にあのBlue Noteのステージにボビーが立つ!!!....その日が遂に実現しました。ジャストタイミングで発売された新譜『Come Rain Or Come Shine』を携えたステージに期待が高まるのも当然。しかし一方、2年前のアムラックスではAORソング一切なしだったので、『またビッグ・バンド一辺倒?だからパス』って声が多く聞かれたのも事実でした。でも今回のボビーは一味違いましたね。
東京、大阪で計16回ものステージを見たわけですが、その中でも特に印象的だった今回のツアー最終公演、5月30日のセカンド・ステージにスポットをあてレヴューしてみました。



オープニング前から会場の雰囲気は熱気で溢れんばかり。オープニングのアナウンスもまだはじまらないと言うのに会場は開演を促す拍手、手拍子が自然と起こり、今晩は特別なステージを予感させるに充分。オープニングを伝えるアナウンスが会場に流れいよいよBLUE NOTE最後のステージが<Wind Machine>で華々しく幕開け。これで最後と言う気持ちが作用したかのような今までにないパワフル以外形容のしようがないもの。ドラムス・ソロもいつもより長め、『おいおいメタル・バンドじゃないんだから...』ってな感じはご愛敬。既にスタンばってるボビーも是には苦笑いしてましたね。ファースト・ステージの2倍はあろうかと思われる拍手に包まれてボビーがダンディーに登場!!!一気に会場の熱気は最高潮へ。グレーのシャツにモノ・トーンの幾何模様のシルキーなタイ、黒のシングルのスーツ。うーん渋い!今回のステージ衣装の中で一番お気に入りのコーディネートなんでしょう。(今回このスタイルが一番多く見受けられました。)一曲目は<Street Of Dreams>あたりを予想していたのですがまさかこれでくるとは...<I've Got A Right To Sing The Blues>って?この曲は今回の新譜に収録予定だったもので本邦初公開となるもの、幕開けに相応しい曲といえるでしょう。3夜連続で喉や体も疲労のピークを迎えている筈なのに...そんなそぶりは微塵も見せない磨きのかかった艶やかなヴォーカルに早くも魅了されっぱなし。この公演中この場面で何度『かっこええ〜』と呟いたことか...。続く曲は、紅一点Karolyn Kafer嬢の泣きのサックスをフューチャした<Heart Of Mine>。このサックスのイントロでオーディエンスの熱気がぐんと上昇したのは言うまでもありません。ボビーのノスタルジックなピアニカ・ソロはいままで聴いたなかでもベストといえるテイク、そしてエンディングはBobbyのピアニカに絡んでくるKarolyn Kafer嬢の大泣きのアルト・サックスが絶妙なユニゾンを奏でもっとも感動的なシーンを演出。このままAORの連発でくるのかと思いきや一転して<Beyond The Sea>へ....基本的なセット・リストに変わりはなく、その日によって曲順を入れ替えていたようですがこの日はこんな流れでした。ここでお待ちかねの<Come To Me>を思い入れたっぷりに歌い上げ往年のファンを大いに楽しませたあと、新作から<Day In Day Out>へ、続いて流れるMark Mcmillenのシンセに乗せたボビーのお得意のヴォーカル・パフォーマンス。『こんな曲あった?』って思うのもつかの間、ドラムスのカウントで流れだしたメロディーに反応するオーディエンス。そう是こそがライブ版<What You Won't Do For Love>、実に粋な演出!!!しっとり歌い上げた<I'll Be Around>でしばしクール・ダウンした後、ステージを降りてのファンサービス。<Come Rain Or Come Shine>を歌いながらテーブルを廻るお得意のパフォーマンスも一級のエンターティナーの貫禄。一歩間違うと何処かの演歌歌手になってしまいそうな危ない演出もBobbyなら許せます。(Bobbyに見つめられながら歌ってもらったあなたは幸せです。)ステージも既に佳境に入り、ボサノバ調の<Concentrate On You>では年期の入ったErnie Wattsのテナーがこの上なく美しい音色を奏でていました。きっとこのソロにしてやられたファンも多いはず。MIchael Lingtonのソロ・アルバムでパフォームした<Tell It Like It Is>でのKarolyn Kafer嬢のソロもなかなかのもの。あの可愛いルックスからは想像も付かないようなブロー、ブラインドで聴いたのならとても女性のものとは想像できないでしょう。流石Bobbyの眼鏡にかなったSAX奏者とうなずけます。過去ボビーのバンドからデビューしたSAX奏者に続き彼女のソロ・デビューを予感させるものでした。新譜からはしっとりとした<Indian Summer>を日本語を交えたMCを挟みながら熱唱。(日本語は勉強中とないいながら数年前からあんまり進歩してないぞ?)そして大詰め、ステージを締めくくるのはビッグ・バンドならではのゴージャスな<Street Of Dreams>、パワフルなフォーン・セクションの分厚い音の洪水、その音に一歩も引けをとらないボビーのヴォーカル。中高音域にかけての声の伸びにはただただ圧倒されるばかりのラスト曲。一旦ステージを降り、アンコールに応え再度ステージへ。東京公演では披露されなかった(多分)<Don't Worry 'Bout Me>を熱唱。間髪入れずMark McMillenの繊細、且つダイナミックなピアノ・ソロがスタート、アドリブたっぷりのソロにただならぬ才能を感じた人も多いはず。アンコール2曲目は<I Get A Kick Out Of You>を熱演。バンドとしてもすっかり完成された一体感のあるステージを披露してくれました。Bobbyが去ったあともアンコールを求める拍手がなりやまず、バンドのメンバーも数人ステージをおり楽屋に引上げようとした時、なんとBobbyが三度登場!!!メンバーの表情は『なにやるの?』ってな感じでバンマスのKarolyn Kafer嬢とBobbyが打ち合わせ...で決まった曲はオープニングの<I've Got A Right To Sing The Blues>のアレンジ違い。これで会場は完全にオーバー・ヒートしたのは言うまでもありません。ジャズ一辺倒にならず、AORな自分を支持してくれる日本のファンの為に往年のヒット曲と今自分自身がやりたい曲を見事にブレンドしたステージを披露、終始楽しそうに歌う姿はとっても幸せそうで、彼から10年分のパワーをもらったような気がしました。やっぱりボビーを超えるものはボビーでしか無かったと再認識させられた大満足のステージでした。

東京からスタートした今回の追っかけツアーもおしまい...万感迫る忘れがたいものとなりました。東京や大阪で多くの皆さんにお世話になりました。新たな出会いや久々にお会いした方々本当にありがとうございました。この場を借りて厚く御礼申し上げます。

Special Thanks To:
Bobby Caldwell, Robert Rogel, Mark McMillen, Karolyn Kafer, Ernie Watts, Mike Price

Y. Miyaura, Y. Takagi, J. Suzuki, Takumi, Kandabashi

AOR Club:
K. Ishii, Y. Masukawa, O. Ohashi, T.Kanazawa, Y.Okada, S. Yamano, R. Saegusa. K. Hayashi, S. Hatuda. T. Iwano
K. Takamura

[12/Jun/99]