House Of Cards
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1. Game On
2. Blue~featuring Dave Koz
3. Dance With Me
4. It's All Coming Back To Me Now
5. Hearts On Fire
6. One Of Those Nights
7. Dear Blues
8. Dinah (Diamond In The Rough)
9. What About Me
10. Mazatlan
11. He's A Fool (*Bonus Track for Japan)

 2011年、ビルボードのステージで「来年は新しいアルバムを持って帰って来る」と公約したボビー、その約束を見事に果たしてくれました。
日本公演の後、USツアーの合間にコツコツと製作を開始。レコーディングの為にマークやリチャードが度々ボビーの自宅スタジオを訪れたと断片的な情報を伝え聞いていました。でも、なかなか完成の吉報は届かずやきもきしましたが、きっちり来日に合わせてくれました。

前作『パーフェクト・アイランド・ナイツ』はもう7年もの昔。発売前に家族でお忍び来日していたボビーに会って、ご本人からデモ盤を貰った事が昨日の様。お部屋にお伺いした時に、新しい家の設計図を開いて、「ここがスタジオなんだ」って教えて貰ったな〜。あのスタジオでこのアルバムが作成されたのですね〜。

ジャケットにはいつものトレードマークの月もシルエットもないけれど、ハンサムなお顔にうっとり。ボビーが顔写真を出すって言うのは、自信作の裏返しなんだよな。しかも何年ぶりのシルクハット姿?発売の数日前には関係各所にサンプル盤が発送され、FMで特集が組まれる等、近年にないプロモーションが繰り広げられ、なんだか自分の事の様に幸せな気持ちでした。何と関西ではFM Cocoloが4日間に渡って全曲On Air!

さて、今回のアルバム、みなさんもうお聞きになりましたよね?いかがでしょうか?

私の結論はボビーの最高傑作!と言い切ってしまいます。

61歳を向かえ未知の領域に踏み出す勇気、これは実にすばらしく素敵な事。50を過ぎるともう守りになっちゃう人が多いのに、この年でこのチャレンジは賛辞に値しますね。過去に幸せすぎると曲が書けないとか影口を叩かれましたが、こんなアルバムを発表できるなんて素敵過ぎです。きっと充実した日々をお過ごしなんだろうな。

オープニングは抑え気味のクールなボーカルとスリリングな展開を見せる<Game On>、7年ぶりのアルバムに相応しくぞくぞくするナンバー、この高揚感が堪りません。また歌詞に込められた7年間のボビーの想いが伝わってきます。この曲は今回のライブでも披露されたご本人もお気に入りの一曲。

続く<Blue>はDavid Kozを配したナンバー、Kozの流麗で艶かしいSoloに魅せられるはず。どこかのBlogで見たけど、これはサルサじゃないでしょう?どちらかといえば中東的でアラビアチックなアレンジ、そうディズニーのアラジンの世界じゃない?そうそうこの<Blue>にもある意味が込められているのですが、今はまだ秘密(笑)きっと近いうちに明らかになるので期待して待っててください。

そしてぇ〜(笑)個人的超お気に入りナンバーがこれ!<Dance With Me>
タイトルを見たらこれがPOPカントリーかな?って思わないですか?で、イントロが流れた瞬間ひっくりかえりそうになったのは私だけじゃないはず。
サルサやラテンのアレンジは過去にありましたが、まさかまさかのタンゴ!映画の情熱的なダンスシーンが浮かびませんか?そして、ラストは一気に転調してサルサ〜♪これってマイケル・センベロ調。そういえば昨年センベロさんに会った時、ボビーのお家に行くって言ったけど、まさかその時にインスパイヤーされた? な訳ないか〜。どうでもいいことですが、最後の部分に「クレヨンシンちゃん」が参加しているような(爆)

続く<It's All Coming Back To Me Now>は今回のステージで披露された曲。30年来の友人、マーク・マクミレンとの共作曲で、まるでNYの小さなクラブで演奏しているかのようなジャジーでスインギーなナンバー。一聴してマークだと解るキーボードプレイが実に心地良いです。ボビーにはジャズが一番似合う〜

一転して<Hearts On Fire>と<Dinah>はまさかのカントリー!ボビーがカントリー?!ある意味今回のアルバムでハイライトとなる曲、まるで初期のイーグルスそのもの、本家よりもイーグルスらしい(笑)
でも、なぜボビーがカントリー?って、疑問が沸きますよね?解説には「今や米音楽界ではポップカントリー真っ盛り、その流れを偶発的に受け入れることが出来た」との件がありますが、それは事実でしょう。でも、私が推測するもうひとつの理由は、ボビーの自宅はカントリーサイド、で愛馬が7頭もいるのです。オフの時は手綱を取る事も、世話をする事も日常。そんな日々の生活からカントリーのアイデアが出てきたのでは?

<One Of Those Nights>のクレジットを見た時この曲がカントリーだと思いこんでいました。でも、あのボビーがそんなベタな事はしないですね(笑)
この曲どこかで聞いたような?!あ!これってドナルド・フェイゲンじゃん!かなりスティーリーダンしていますね。ピアニカ・ソロもいいね〜そういえばセカンド・アルバム『Cat In The Hat』の裏ジャケのデザインは『AJA』を模したとうのは有名な逸話。

続く<Dear Blues>はブールジーなボビーのギターでスタートするナンバー。待てよ!聞き覚えのあるような?これってブルースなアレンジだけど、アレンジを変えるとアンコールの<At Last>だよね。

<What About Me>はリードシングルとなるマークとの2曲めのコラボ作。ライブでリード・シングルは<Game On>って言ってたけど(?) キメが多い90年台スタイル。この曲が来日直前のライブで掛かったので、期待したのですが今回聴けなくて残念でした。

オリジナルでラストを飾る<Mazatlan>はメキシコにあるリゾート地の名前、「鹿の住む土地」を意味するらしいです。
「仕事に疲れ休暇をとって旅に出た♪」と歌詞にあるけど、なぜMazatlanなんだろう?そこになにか特別な想いがあるのだろうか?と疑問だったので、聞いてみたら行ったことがないんだって(笑)な〜んやそれ(爆)この曲はかなり前に書かれたもので、今回ようやく日の目をみた曲との事。

日本盤にはボートラとなるボビーのお気に入りのカバー曲<He’s A Fool>の歌詞を変えて収録。

カントリー、ラテン、ブルース、ジャズ、AORと過去になくバラエティに飛んだ内容ですが、何度も繰り返す内、普遍なボビーに気づくはず。

結論はボビーを超えるものはボビーでしかなかった!

今回のステージの姿をみたらそう遠くない内に新譜が聴けそうな予感。期待して待っています。

[08/Oct/12]




CD:Victor entertainment VICP-7508(JAPAN)
CD:STARMINE RECORDS Bobby Caldwell Entertainment LTD(US)

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